「ふざけんな、死ねっ」 パシ、と乾いた音がして、俺の手は払いのけられた。 特に気にしない。 だって、慣れたことだから。 「…つれないぜ、雅さんよ」 「黙って。チャラ男」 「ふーん、そう…それ以上のことはするのに?」 「………」 雅の目つきが一層冷たいものに変わって、俺は、ビンタが飛んでくると思い少し身構えた。 …けれど、そんなことはなくて。 雅は「そうだね」と呟いた。