「…わ…たし…」
「…ん?」
「私…ま…正樹さんに…なら……」
…正樹さんにならどんなことされたっていい
もっと…もっと正樹さんを知りたい
「結花?」
「…私を…大人に…してください…」
私の言葉に正樹さんは少し驚いたように目を大きく開いた
「…それは…意味わかってるの?」
私はこくんと縦に首を振った
もっと正樹さんに似合う女性になりたい
西川さんのような女性にはほど遠いけど…
正樹さんは向かい合う私の体をそっと抱き寄せる
「ダメだよ…。そんなこと男の前で言っちゃ…」
「正樹さん…だからです…」
私は頭がぽーっとしていて、なんだかふわふわしていた
さらに確実に近くに感じる正樹さんの肌の温かさと優しい香りが、余計私をおかしくする
「…好き…です…」
「結花…」
苦しそうな正樹さんのかすれた声が耳元でする
「…あっ」
そのまま耳たぶに正樹さんの唇が触れた
ちゅっと軽い音が耳に響く
「結花…」
かすれた声にただただ体が反応する
震える私の体を抱き寄せる正樹さんの腕が腰に回った

