走りだすと、正樹さんは急に黙ってしまった


つられて私まで何も話せなかった



…西川さんのこと、聞きたいような、聞きたくないような


きっとこれから話してくれるんだろう



私は緊張しながら、車に揺られた





「とりあえず入って」


「お邪魔します…」



玄関に上がり、靴を脱ぐ


「…結花」


「へ?」



突然名前を呼ばれたので、正樹さんを見上げると、なんだか悲しそうな瞳をした正樹さんと目が合った



「今日は驚かせてごめん。ちゃんと話すから」



正樹さんの表情があまりにも真剣だったから、私はただ頷くことしかできなかった