りっちゃんをどうにかごまかして、音楽室に戻る


こういうことには鋭いんだから…



部活を終え、携帯を開くと正樹さんからメールがきていた



『学校まで迎えに行くよ』



…学校まで


って今からくるの?!



「何一人で面白い顔してんのよ~?」


りっちゃんがつつつーと寄ってきて、携帯の画面をのぞいた


「あらら~!大変ね!」


「ど、どうしよっ!」



まさかこんなにはやく来るなんて思ってなかったから、当然汗くさいし、髪型も若干崩れてきている



「私にまっかせなさーい!」


こんな時の救世主りっちゃん


トイレに連れてかれ、りっちゃんはゴソゴソとポーチを取り出した



「簡単なメイクしかできないけど…。ほら、まずは汗ふきな」


汗ふきシートを私に渡し、りっちゃんはテキパキとメイクを始める



私もそろそろメイク道具揃えなきゃだよね…



「結花は肌綺麗だからメイクのやりがいがあるのよ~!」


自他共に認めるオシャレなりっちゃんによって、私はどんどん可愛くなる



10分足らずで、目はぱっちり、唇はふんわり、頬はピンクに染まった



同時に髪型も私の適当なあみこみから、可愛いおだんごヘアになっていた



何者なんだりっちゃんは…