たまに、こういうことがある。みんな仕事とか学校の行事とかで合わなくて、ばらばらに朝食をとったりする。
そうなったときは、明日の朝食は必ずみんなで食べるという決まりだ。


あたしと拓斗は朝食を食べて途中まで一緒に行った。

拓斗はあたしよりも背が高いし大人っぽい顔をしているからわたしよりも年上だとよくかんちがいされる。

中学生に負けるなんてまだまだだなぁ〜と呑気なことを考えていると、あたしたちの前に拓斗と同じ年くらいの制服をきた女の子が2人近づいいてきた。


その子達は、一瞬チラッっとあたしをみたけどすぐに拓斗に視線を戻し、顔を赤くしながらモジモジと喋りだした。

「あの〜ずっとあたし拓斗君のことみてて、えっと、そっ、その、好きです。つき合って下さい!!!」

女の子は頭を下げながら言った。


あたしは突然のことすぎて頭がついていけず呆然としていると、

「わりぃんだけど俺、特定の女つくらないだよね〜それでもいいならいいけど…そんかわり体の関係だけだけど」

拓斗は、頭をかきながらめんどくさそうに言った。


はぁ〜。まだ治ってなかったのかよ。


拓斗は、中学に入ってから女遊びが激しくなった。幼かった拓斗は、両親の愛情を十分に貰えずに育ったため、人の温もりをいつも求めている。

もちろんあたしたちも拓斗には、十分に愛情をそそいではいるけれど、あたしたちの愛情と両親の愛情はまた違うものなんだと思う。

そういうのもあるから、お姉ちゃんたちは、何も言わないし尚兄も一時そんな時期があったけど、徐々に落ち着いていった。まぁ、最近のことなんだけどね。(笑)