あたしは今「生徒会室」と書かれた大きなドアの前に立っている。茶色の大きなドアには、金色に光るドアノブがついている。


あたしは、深呼吸をすると、その扉をあけた。


「失礼しまーす。誰かいませんか?」
あたしは、ビクビクしながら部屋に入ると、

ガタッ

部屋の奥の方で音がした。


あたしは、おそるおそる音がしたほうに歩いていくと、

校長先生が座るような豪華な机にあのイケメンな生徒会長が座っていた。

「1年D組神崎亜夢さん。よく、怖じけづかずにきたね。」

生徒会長は、その形のいい唇をニッとあげながら言った。

なに!!この人!!!めっちゃむかつく。なんかバカにされてるみたい(怒)


「怖じけづいたりしません!!」


「ふ〜ん。まぁ、そんなことはどうでもいいけど。なんで呼ばれたかわかってるよね。」

そう言うと生徒会長は、かけていた眼鏡をクイッと持ち上げた。


普通の女の子だったら、倒れてしまう仕草も、今のあたしにしたらどうでもよくて、怒られることばかりを考えていた。


「はい。入学式のことですよね?」

あたしは、小さい声で俯きながら答えた。


「そう。どうしてあの時、立ち上がって、叫んだの?」

会長は、その綺麗な顔を近付けた。


どうしよっ。やっぱり言わなくちゃいけないかな〜?
でも、もうあんなふうに傷つきたくない。
あたしが、言うか言わないかなやんでいると、


生徒会室の扉が開いた。


「悪ぃ、修。遅れた!!」

そう言いながら入ってきたのは、尚兄だった。


尚兄はあたしをみると、あの時の笑顔は嘘かのようにハッと鼻で笑った。