『乗れ』 『……嫌』 『ええから』 『……………』 『チッ』 バイクに乗るのを嫌がる私の両脇を掴み、持ち上げる。 そのまま私の体はバイクの後ろに乗せられていて。 いつの間にか彼は前に跨り、エンジンをかけた。 『腕貸せ』 手持ち無沙汰の私の腕を掴んで彼の腹に回され、それを確認するとバイクは発進した。 風が直接体に当たる。 冷たくて、体が痛い。 それなのに彼の背中は暖かくて。 顔を押し当てて、涙を流した。 .