ちなみにこのベンツに座れるのは幹部のみ。

それか幹部が許した人だけ。

雄大くんが運転席に座るのは、他の人の運転が信用出来ないかららしい。






「おーおー、今日結構他の族来てんねんなっ」


「寒い、窓閉めろ」


「英寿くん風邪?」


「あぁ」






襟足まで伸びた髪を垂らし、英寿くんは更に特攻服に身を沈める。

窓の右側は道路で小さな族が走り回っていて、左側は下の連中が雑談していた。





…―コンコン






「?」






控えめに後部座席の窓がノックされ、再び右側を見ると一人の男の子。

雄大くんと同じ金髪。

そして屈折のない笑顔。






「ゆいさん、空けて下さいよー!!!」







私の一つ下、白虎幹部候補。


白咲龍。







.