「何回も…何回も我慢しててん、」
「それは分かります」
「約束があったから、我慢、してん」
「…はい」
「けど、最後には抑えられへんく…なってて」
私の目からポタポタと涙が零れる。
視界が歪んで龍が見えない。
しゃっくりで上手く喋れない。
過去には、もう戻れない。
「どうしよう、龍…!!!」
「ゆいさん、」
「約束破っちゃった!!!英寿くんを裏切った!!!」
「落ち着いて下さい」
「お父さんにも!!!お母さんにもまた迷惑かけた!!!どうしよう龍!!!」
「落ち着いて下さい!!!」
抱き締められ、龍の肩に顔を押し付けられる。
そして私も必死にしがみついた。
「どうしよう…!!!」
溢れる涙を拭えぬまま。
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