「え?」





私に気付いたのか、探す手を止めてパチクリと瞬きをする。

驚いた目は私と赤ペンを交互に見ていて。


…もしかして赤ペンじゃなかった?






「ごめん、赤ペン忘れたんかと思って」


「あ、うん、そうやけど…」


「じゃあどうぞ」






当たっていた事にホッとし、彼に近づける。

それでも彼はなかなか受け取らなくて。

あ、うちやから嫌なんかな。






「嫌やったやんな、ごめん」


「いや、そうじゃなくてっ」


「え?」






引っ込めた手を思わず止める。

気のせいか顔が赤いような…、うん、気のせいかな。





「それ借りたら華風さん赤ペンないやん」







そう言って、彼は







笑顔を向けてくれた。










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