私の質問に対して表情を変えず、英寿くんは携帯をパタンと閉める。

そしてそれをテーブルに置き、変わりにタバコを口に食わえ火を付けた。



白い煙が月の光に反射し、幻想的で。








「なんでそんなん聞くねん」


「最近昔の夢よく見るから」


「へぇ、」






興味無さそうに言葉を返しながら、英寿くんは天井に見つめまま。



私は更に寄りかかり、英寿くんのタバコを貰い火をつける。

昔から変わらないSevenStars。







「まぁ変わったっちゃ、変わったんちゃうけ?」


「え?」


「笑うようにもなったし、自分を抑えられるようになった」


「……………」


「全体的に落ち着いたんちゃう?」






短くなったタバコを灰皿に押し付け、私を見る。



目が合って、英寿くんは私の頭を撫でてくれて。







「昔のゆいが今のお前見ると驚くやろ」








優しい声に、私はただ下を向くことしか出来なかった。









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