確かに龍には私しか居ない。


昔から、私しか。




龍が私に依存するのも、昔の私しか見ていないのも。

あの時の私が毎日龍と一緒にいたからで。





でも今の私は常に一緒にいない。



勉強だったり、悠介と一緒にいたり。





けど、







「龍」


「…はい」


「大丈夫、龍の傍におるよ」


「……………」


「離れていかへんから、安心して」


「…は、い」






いつになく小さくなった龍に唐揚げを渡す。

今度はちゃんと受け取ってくれて。



私は龍に笑いかけた。







「今日は一緒に北区に泊まろっか」


「まじすか?」


「皆打ち上げするし、そのまま泊まるから」


「はいっ!!!」







機嫌の直った龍は尻尾を振っていて。



うちのチームは何かあるとすぐ打ち上げをする。

…まぁ今日ぐらい家帰らんでいいよね。









.