真実はどうであれ、私は黒澤くんに対して疑いを持った。

同時に人を信じる事を、心の奥底に閉じ込めてしまって。




それは今でもそう。




今彼が話したことが本当か分からない。

もしかすると嘘かもしれない。






けど、







「友達は無理」


「……………」


「知り合いからで、よろしく」


「え?」






どうしても彼を嫌いになれない。

それはどうしてか分からないけど。






「話しかけてもいいん?」


「うん」


「購買でパン買ってもいいん?」


「それは知らんがな」


「うわー!!!よかった!!!」





いきなりテンションが上がり、黒澤くんはベンチから立ち上がる。

…直ぐにまた座りだしたけど。







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