「え?え?」





いきなりの私の行動に、龍は携帯を投げ捨て上半身を起こす。

それでも私は離れなくて。



龍の背中に腕を回し、胸に顔を埋めた。







「ゆいさん?」






心配そうに龍が声を掛けてくる。




言いたいことは沢山有るはずなのに言葉に出来ない。

何を言えばいいかわからない。

困らせたくない、それなのに。





私はそのまま動けなくなってしまった。







「龍くん」


「は、はい」


「二人に何があったか知らんけど、今は慰めてあげて」


「え?」


「ゆい、今心ん中で泣いてるから」







そう言って、紫織は鞄を置いて蓮の隣に座る。

暫くすると二人はゲームを始めていて。




まるで二つの空間が出来たみたいだった。









.