龍は悠介くんを信用するなと言った。

他の誰も、簡単に信じるなって。




私は簡単じゃない、龍は何も知らないと言った。

どうして喜んでくれないのかと辛かった。







私が何も分かっていない。







涙は流れない。

心が冷たくなっていく。

人を信じる心が消えていって。






光を持ち始めた瞳は、再び漆黒の闇に包まれた。







「ゆい!!!あんな奴もう放っときな!!!!」


「……………」


「ゆい?」


「龍の所に行かな…」


「…分かった」






足がフラフラする。



それに気付いたのか、紫織は私の手をしっかり握り足を進めた。








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