鞄と荷物を持って玄関に向かう。 龍は追いかけてこない。 追いかけてこなくていい。 「ゆいさん、治療…!!!」 「いい」 蓮の制止を振り切り、扉を開けて外に出た。 タバコで火傷した手が痛む。 けど、今は心の方が痛い。 龍なら喜んでくれると思ってた。 ゆいさん変わりましたね、って笑顔で言ってくれると信じてた。 いつも傍にいてくれたのに。 外はいつも以上に冷え込む。 涙が出て欲しいのに、流れない。 三年前から泣いてない。 中学二年から、一度も。 .