「これで頬冷やして下さい」


「うん」





龍の買ってきた水は頬を冷やすのに丁度良い。

殴られた衝撃でクラクラするけど、上半身を起こした。






「動いちゃダメっすよ!!!」


「そんなにヤワちゃうわ」





蓋を開けて水を口の中に注ぐ。

少し口を洗い、直ぐに吐き出した。




血の混じった水が地面を濡らしていく。






心配そうに見る龍に安心の意味を込めて笑いかけ、体育座りをする。

膝に顔を埋めて目を閉じた。







「うちの失態やわ」







呟いた言葉が龍に聞こえているかわからない。

けど責任、という言葉が私にのし掛かる。






英寿くんは私を信用して北区を任した。

それなのに、たった数日でこの様。

部下の管理も行き届いていない。







最低、だ。









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