―4月の終わり 時が過ぎるのは思ったよりもずっと早かった。 高校に入ったばかりだったのに。 「ねぇ美優ちゃん、坂下くんカッコ良くない?」 「坂下くん…?」 まだクラスの男子の名前を覚えきれてないあたしは誰だかわからなかった。 「あの窓の近くにいる人」 そう言われて窓を見ると坂下くんらしき男子がいた。 「あー…まあ、そうだね。急にどうしたの、りり」 りりはあたしとよく一緒にいる友達。 りり、由梨、あたし。 「うち、坂下くんが好きかも~」