俺の前から足音が
聞こえた

聞こえる筈もない

雪の中から

そして、一番聞きたい
声が聞こえたんだ


「寒いよ……たくま……
たくま……」


「み、ミズキ―――!」


俺は叫んでミズキのもとに走ったんだ。
雪が顔に当たる度に痛くて、手が痛く、足が痛くて、転けて全身が痛くて

でも、前にいるミズキを見たら痛みが消えた。


「ミズキ……ミズキ
今までどこにいたんだよ探していたんぞ!心配かけるなよ!」


「た…たくま……あなたがたくま!!
私も探していたよ
ずっと、ずっと、あっ!?」


俺は何も言わないでミズキを抱きしめた。ミズキの体は寒くて震えている