オフィスにもう1箱常備してある

Panadol-パナドールが、

どうしても欲しい。

もう、全部飲もう。

千鳥足でオフィスへ行き、

引き出しからパナドールを取る。

その帰り道で、ぶっ倒れた。

ホテルの深夜勤務スタッフ達が

倒れた私を見つけて、

急いで車椅子を持って来て、

数人がかりで私を部屋まで運んだ。

只、立てないだけで私に意識はあった。

「只、立てないだけなの。ちょっとお薬が欲しくて、オフィスにきただけだから、
本当に大丈夫なの。」

ひたすらそれをリピートする。

私の部屋にスタッフ達が入って、

私がまだ捨てていなかった錠剤たちの

残骸を見て、息を呑んでしまったのが分かった。

こんな時に限って、ゴミ箱に捨てるの忘れた。

「Shiho,これ全部飲んだでしょう?」

「いますぐ病院に運ぶわ。」

とスタッフ達が騒ぎ出したので、

「大丈夫。全部飲んでなんかないの。空けたらカラだったのよ。私は大丈夫だから、
もう寝るから。ごめんね、変な心配かけて。」

ベッドで寝ながらそう言って、

全員を部屋から追い出した。

飲もうと思ったけど、私は既に1箱半は飲んだ。

これ以上飲んだら、明日の仕事に

差し支えるのは明白だ。

「こんな下らない事、やめよう。」

そう思って、そのまま寝た。