私は、多分色々な経験をしてきた。

社会にフィットして生きるとか、

現状を耐えて我慢をする、

というような事以外においては

同年代より刺激的な人生を歩み、

経験値が高いはずの私には、

その経験から何も学ばないという

致命的な弱点がある。

4歳年下の彼に惹かれた私には、

年上の余裕など、どこにもなくて、

ただ目の前の彼を知りたくて

必死だった。

私のいじましい努力は功を成し

彼もまた少しずつ私に

その手の内を明かすようになった。

種明かしをする彼の

そういったところに着目して

視点を変えれば、

彼もまた無自覚の確信犯で、

彼と私のその成り立ちは、

そういう意味で良く似ていた。