教室から悲鳴が聞こえたけど、私にはそれを気にする余裕はなかった。 「も…森崎…?」 「…遅ぇよ、バカ。」 「なっ」 バカって言われて、いつもどおり言い返そうかと思ったけど あいつの、抱き締める力が強くて。 何も言い返すことはできなかった。 「ずっと、こうやって抱き締めたかった…。」 今までのイジワルなあいつじゃない、知らない森崎がそこにいて。 私の心臓は、破裂しそうだった。