そして私は今、初めて恐怖を感じていた。 今考えれば、自分が空手強いからって調子に乗っていたところがあった。 本気の男三人相手にして、勝てるはずもないのに…。 「こっち来いよ」 と言って掴んだ腕を力任せに引っ張った。 「いっ痛い!!」 どうしよう…。誰か…っ 「うわっ」 ゴッ、と鈍い音がして何かが地面に倒れた。 「…?」 振りかえるとそこにあったのは 「何やってんだよ、てめぇら」 とても怖い顔で先輩たちを睨む、森崎葵の姿だった。