俺様彼氏と空手彼女




「…おい、ちょっと待てや。こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって」





私に今にも掴み掛かりそうな勢いで、ずいっと自分の鼻を私の鼻に近付けてきた。



普通ならここで恐怖とか感じるんだろーけど、私は違う。



ますますイライラするだけ。


つーか香水くさっ。つけすぎでしょ。







「おい、聞いてんのかよ!?」


と、おもいっきり私にガン飛ばすツンツン頭の先輩。

てゆーかワックスつけすぎ。

こいつらバカじゃないの??たくさんつけりゃいいってもんじゃないでしょ。




「あの、私行ってもいいですか??」



なんかもう、めんどくさい。




「はぁ!?ナメてんのかてめェ!!」



先輩の一人がとうとう私の胸ぐらに掴み掛かってきた。

でも黙ってやられる私じゃない。


「触んなっ!!」



左手で先輩の手を勢いよく払うと、先輩の体はバランスを崩し後ろに少し仰け反った。


そうすると、ガードは弱まり、私に攻撃のチャンスがやってくる







ハズだった。