俺様彼氏と空手彼女



ふいにそんな声がしたかと思うと、私の前に男子三人が立ちはだかった。



「そーだろ。足、ケガしてるし」




ニヤニヤしてて、うざい。誰、こいつら。



「君、牧瀬璃依ちゃんだよねー?」


「そうですけど何か。」


「わぁーお、クールなんだね♪」



私が睨み付けているっていうのに、更に喜んでる。

バカじゃないの?


「俺らさぁ、さっきの見てたんだよねー♪」


耳に、やたらピアスを付けた男子が言った。


さっき…?リレーのこと?


「すごいよねぇ。璃依ちゃん、足速いよねー」


「…どうも。」



「こんなかわいい顔して、意外と熱血なんだね♪」


はぁ??もー、何が言いたいのか意味不明。先輩っぽいけど、行っちゃうか。



「私、今から行くとこあるので失礼します。」


痛い足を引きずりながら、邪魔な男子を通り抜けようとした。


けど、

「おい待てって」



「痛…っ」