そして私は、再び走り始めた。
先ほどよりもだいぶ遅いのだけれど、それでも私は走った。
「がんばってーっ璃依っ」
ずっと私を応援し続けてくれてる玲菜。
その声が、すごく温かくて。
私の足を動かした。
「くそ…そんなに、俺が嫌なのかよ…っ」
結果は、五人中五位。
しかもケガが思ったよりひどくて、次の障害物競争にも出られそうにない。
出たとしても、一位はとれない。
「…っ」
私は重い足を引きずりながら、校舎内の保健室へと向かった。
玲菜は、あれのすぐあとの競技に出るから一緒にはいない。
う…、ホントに痛いし。
最悪だよ…。
「おい、あの子じゃねぇ?」
え…?

