俺様彼氏と空手彼女





「璃依ーっがんばってーっ!!」



遠くから、私を応援してくれてる玲菜の声がした。



どうやらクラスのみんなが応援してくれてるみたいだった。




その声に混じって聞き覚えのある、あいつの声が聞こえた。


「牧瀬、がんばれー」


低めなのに、耳に心地いい声。


その声に思わずドキッとしてしまう私。



えっ??今の、何?
心臓が…。




その時だった。




……あ…っ!!







一瞬、足がもつれた。







気付いたとき。




もうすでに遅くて、






私の体は、前のめりになり、





冷たいグラウンドに勢い良く投げ出されていた。





「い…った…!」





どうやら足をくじいてしまったらしい。足首に激痛が走る。




それに、ひざやひじもすってしまったらしい。


血が出ている。






「璃依っ!!」



心配そうな玲菜の声が聞こえたが、今、それに答えている場合じゃなかった。




痛いけど…。走んないと…っ。