返事は冷たいくせに、顔は相変わらず勝ち誇ったような表情をしてた。
また、ばれてるのかな…?
「アンタなんかに、絶対…キス…させないんだから!!」
なぜだか、キスというワードが妙に恥ずかしくて。
そこだけが、小さな声になってしまった。
「…プッ。」
そしてまたアイツは、可笑しそうに笑い始めた。
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私が出場する200メートル走も始まり、列に並んでる私。
運の悪いことに、私と走る人はみんな運動部の速い人ばかり。
一位をとるのは、難しいかもしれない。
そしてあっという間に私達の番。
大丈夫。きっと平気。
どうしよう。
たかが徒競走で、こんなにも緊張するなんて。
心臓がばくばくいってて、うるさい。
何なの。私はどこかの小学生かっての。

