「…ふ。反則だろ…」




「な、何が?」



「なんでもねぇけど?」





璃依は、全然見た目と違う。


すごくおとなしそうなのに、空手をやっていて、気も強い。


俺が知ってる璃依、そのものだった。





俺の知ってる“あの子”は、正義感が強くて優しい子だった。


だから最初はわからなかったのか。

璃依が、女の子になってたから。


でも、中身は俺の知ってる璃依。



俺が探してた璃依。







「何見てんのっ」




璃依は照れ隠しか、俺のみぞおちに拳を入れてきた。




油断してたから、もろに入った。




やっぱ、可愛いのな、コイツ。