私たちは、二年生に進級しても同じクラスだった。



それが嬉しくって。



その日は1日中顔が緩んでしまっていた。




すると、また一緒のクラスになれた玲菜にぴしゃりと一言。




『キモイ』




せっかく一緒のクラスになれたのに!


私はそう文句を言ったけど、玲菜は




「あんたらのイチャイチャを見せられなきゃならないこっちの身にもなってよ」



と呆れ返って言い返されてしまった。




むー、ってむくれていると突然隣の席の男子が話し掛けてきた。




「牧瀬さんだよね?俺、優太っつーんだ。よろしく」


「あ、よろしく…」



初めて話した人だった。



だからきっと、私の噂を知らないのだろう。


知ってても信じてないのかもしれない。




「部活は何かやってんの?」



にこやかに話し掛けられて、私は自然に口を開いていた。



「あ、うん。から…」







「おい。気やすく俺の璃依に話し掛けんな」



空手部、と言おうとした私の言葉を、いつのまにか側にいた葵にさえぎられた。