「信じてねぇだろ」
「だって…」
「俺、お前の言葉で変われたんだ。必死に空手覚えて練習して、強くなれた」
うん、葵は確かに強すぎだよ…
「その時の約束、覚えてるか?」
「約束?なんだっけ?」
「もし強くなれたら、今度は俺が守ってやるって。」
「…っ!」
「そしたらお前、“私を守ってくれるって言うんなら、私より強くなんないとねっ”って言ったんだ。すっげーよな」
「わ、笑わないでよ。そんな昔のこと…っ」
一気に顔が熱くなった。
そんなこと言ったんだ。恥ずかしすぎる…っ
すると、葵は柔らかくわらって、
「お前より強くなったんだ。もちろん、守らせてくれるよな?」
なんだそりゃ。
私は可笑しくなって、いつも葵がしてるみたいに自信満々に笑ってみせた。
「仕方がないな。守られてあげる」
私たちの約束は、長い月日を経て、もう一度固く結ばれた。
永遠に。
END