「素直に送られてくれたら返すよ」
にやり、と自信ありげに笑うとまた歩き出した。
「待ってよ!」
結局、私は家の前まで送ってもらってしまった…。
なんか悔しい…!
「なんか悔しそうだな？」
心を読まれ、思わず顔が赤くなる。
「…プッ」
「…え？」
「図星かよ。わかりやすいな、お前」
そう言って、アイツは笑った。悪魔みたいな笑みじゃなくて、ホントの笑顔。
その笑顔に、私は思わず見入ってしまってた。
「あー、もう腹いてぇ」
絶対、コイツの笑ったとこなんか見られないと思ってたのに。
知らなかった。
コイツも
こんな風に笑うんだね…。
私、さっきまで怒ってたのに。
私って、げんきん…。
