助けて…葵っ
「葵…っ!!」
守ってくれるって。
私の味方だって。
言ったくせに。
「葵の、ウソつき…っ」
「璃依っ!」
え…っ
倉庫の外から聞こえた、葵の声。
その瞬間、私は必死に叫んでいた。
「葵たすけて!!」
そう叫んですぐ、倉庫の頑丈な扉が激しく叩かれた。
葵が蹴り破ろうしてくれているのだ。
「おっおい!やばくないか!?森崎だぞ!?」
「ばかやろう、こっちは先輩だし五人だぞ!負けるわけねぇだろ!」
「でも、あいつムチャクチャ強いって…」
私を押さえ付けていた男子が明らかに動揺していた。
「くそっ!五人でかかれば怖くな…」
ダァンッッ!
激しい音とともに、倉庫の扉は乱暴に開け放たれた。
音からして、3発。
たった3発で葵は、あの倉庫の扉を蹴り破ったのだ。
とても、あり得なかった。

