寒い。




ふぅー、と息を吐き出せば息が白い。




もう、冬なんだね…。





葵と初めて話してから、もう半年。




いや、まだ半年しかたってなかったんだ。




もう、ずっと昔から一緒みたいに自然だった。






葵…。













かじかむ手を動かして、靴箱を開ける。




すると、上靴の上になにやら紙がある。




「…?」




取り出して開いてみれば、字が書いてあった。





『話があるんだ。体育館倉庫に来てほしい。外から、来てくれ。森崎』





「!!」



葵!?



どうして…





外からって、グラウンド横から入れってことかな。




体育館倉庫はグラウンドとつながっていて、普段そこは使われない。



でも、私はなんの迷いもなく手紙を握り締めてグラウンドの方へと駆けていった。




ただ、葵にあいたくて。





例え、別れ話だとしても葵に逢いたい。