あの日、璃依にどこか行こうと誘った日。




その前日に、璃依から集合場所を変えたいとメールが来ていた。




その時は、あまり気にはしなかった。


だが、待ち合わせの時間になっても璃依は来なかった。


さすがに心配になり璃依の携帯に電話すると、



♪〜〜♪♪〜〜♪〜




俺のすぐそばから、聞き覚えのある着信音。




音のしたほうを見れば、笑顔で駆け寄ってくる一人の女。




俺がずっと待ってた女の子だった。




ほっとし、俺も笑顔を向ける。





すると、更に璃依は微笑んで勢いよく俺に駆け寄るとそのまま俺の胸に飛び込んできた。




珍しいな、とその時はその程度にしか感じていなかった。



ただ、璃依のそんな些細な変化に喜んでいたんだ。




「ごめんね、待った?」



「いや、そんなに待ってねーよ」




この時から、ほんの少し違和感を感じていた。




なんか変、考えすぎか?



だいたい、璃依の携帯持ってたじゃねーか。本人だろ。