「なぁ、その話はほんとなのか?」




私の両肩を掴み、すごく真剣な顔で私の目を見つめる葵。



真っ直ぐに葵に見つめられ、嘘がつけない。





葵には、本当のことを言うべきかな…。







「私がその事件の原因だし、補導されたから学校も転校した。本当のことだよ」





「…まじかよ」





ハァ、と呆れた風にため息をつく葵。




呆れられた…。






でもしょうがない。


事実なんだから。







「今から二年前の11月のことだよ。」




それから私は、慎重に言葉を選びながら説明する。




カツアゲされていた男の子を不良たちから助けたこと、その不良たちに私と凜が間違われて復讐されてしまい反撃した凜が補導されかけたこと、責任がある私が罪を被ったこと。




全て話した。



最初はただただ驚いていた葵だったけど、最後まで真剣に私の話を聞いてくれていて。




私は不安を感じつつも、そんな様子の葵に少しばかり安堵していた。