焦った私は、周りに視線を走らせた。
と、地面に倒れこんでいるもう一人の存在に気付く。
男の人のよう。
だけど、なんだろう。
見覚えが…。
見た目は、どこにでもいる不良の高校生。
だいたい私に高校生の、ましてや不良の知り合いなんていないはず。
でも、絶対見たことある。
それも、ごく最近…。
あ…。
思い出した。
あの時、助けた男の子に絡んでた不良の一人だ。
なんでこんなとこに…
まさか…。
「凜、あの人の仲間に喧嘩売られた…?」
お巡りさんに聞こえないように、ぼそりと呟く。
「…うん。璃依の知り合いなの?この前の、借りだって」
私は、愕然とした。
凜は、私のせいで巻き込まれたんだ。
私の、無責任な行動のせいで。
これは、全て私が招いた結果…。

