振り返れば、暗闇に慣れた目にはしみるまぶしいライトが私たちの視界を遮った。
「っ」
「おいっ、巡査が倒れているぞ!」
目をこらせば、更に三人の警官がいた。
もしかしたらこの警官、無線で他の警官を呼んでたんじゃ…!?
「っく!」
いくら私と凜でも警官相手じゃ分が悪い。
でも、逃げ切るなんて不可能かもしれない。
とっさに私は、緊張で震える唇で言葉を一気に吐き出す。
「あ、あの…。実は、妹の悲鳴が聞こえたので駆け付けたところ、妹の腕を掴む男の人の姿が見えたものですから。とっさに変質者かと思って、警察官の方を…。すみませんでした」
すると、警官たちの張り詰めた空気が少し安らいだ。
「そ、そうか。いや、ここで乱闘騒動があったって無線があったものだからね。君たち、巻き込まれてないかい」
優しい口調で尋ねられ、私たちもほっと胸を撫で下ろす。

