「私は別に、強くなりたくてなったわけじゃないよ。ただ空手やってたらそうなっただけで」
「そっか。キミはすごいね」
「そんなこと…」
「僕も、強かったらよかったのに。背が低くて、女の子みたいな名前で、見た目も男らしくないし。おまけに女の子に助けられる始末。ホント情けないよ」
「そんなことないよ」
「え…」
「誰だって、強くなれる。私みたいにね」
「…っ!!」
そういうと、男の子は困惑したように目を見開いた。
「ホントに、僕も強くなれるの?」
「それはキミ次第。でもきっと、なれるよ」
「――あの、僕っ」
「あ、やっと見つけたぞ!!」
え?

