「ぐっ!?」
2発。
私の拳が男のみぞおちに飛んだ。
腹を抱え込み、バランスを崩した体に更に回し蹴りをお見舞いする。
「なっ!?」
「ヒデ…っ!?」
残りの二人の男が、驚いて倒れた男と私を交互に見る。
そしてやっと状況を理解したらしい二人は、私を殴ろうとするに違いない。
「ヒデに何すんだよ、このアマっ!!」
と凄みの利いた顔で睨みながら、私の肩を掴む男。
「触んなっ!!」
問答無用で、この男も蹴り飛ばす。
「なっ!!」
もう一人がひるんだ瞬間を私は見逃さなかった。
助走をつけ、そのまま飛び蹴りを食らわせると最後の一人もうめき声をあげて倒れこんだ。
「…っ」
「何ボーッとしてんのっ!!行くよ!!」
未だ唖然としていた男の子の手を引き、走りだした。

