俺様彼氏と空手彼女






ニヤニヤと、意味ありげな顔で私へと伸ばされた腕。




ぐいっと私の顎を持ち上げると、きつく睨み付ける私の顔を舐めるように物色した。





「ガキは好みじゃねぇんだけど、まぁいいか」






と言うと、そのまま男の顔が近づいてきた。




男が近づくにつれ、きついタバコの匂いが私の鼻をついた。



男たちがこれから私にしようとしてることは、明白だった。



それだけで私が手を出す“口実”が出来たのは言うまでもない。







戦闘体勢に入った私は、まず目の前の男を倒そうと思い動こうとした。


その時。







「…やめろっ!!」





「!?」






見れば、さっきまで殴られていた男の子が男の背後にしがみついていた。




「離せっ、この…!!」





「早く逃げて…っ」





どうやら、助けに入った私を助けてくれているらしい。


必死な顔で、男を止めている。




「このくそガキ…っ」






でも呆気なく跳ねとばされてしまう。



でも、男たちの注意はそれた。


ますますやりやすくなったのは、確実だった。