「あおい…」
味方…?
「お前は忘れてっかもしんねーけど、俺ら…2年前に会ってるんだ」
「えっ…」
嘘…!?私と葵が?
中学生の時に??
どうしよう…
覚えてない…!!
「どうせ忘れてるんだろうな」
「うっ…」
ばれてる…。
「俺、お前に会えて変わることができたんだ。お前を守れる、強い男になろうって」
私が…?
「それが、やっと叶ったんだ。やっと努力が報われたんだ。だから、そう簡単に離してたまるかよ」
そう言って葵は、私を抱き締める腕に更に力を込めた。
このまま、こうしていたい。
葵と話さなくなったあの日、もうこんなことはできなくなったんだと思った。
葵の温かさを肌で感じられなくなったんだと。
なのに、
今、こうしてることがごく当たり前のことだったかのように自然で、心地よくて。
改めて、葵の存在の大きさを感じた時だった。

