優しい葵の言葉を無視して、床に散らばった教科書やらを屈んで拾い集める。
下を向けば、意味無く涙がこみあげてくる。
泣いちゃダメだ、
泣いちゃ…。
必死に堪えても、今にもあふれだしそうな私の涙。
イヤだ。
こんなの、もうイヤだっ!!
ポロリ
とうとう、私の目からは涙がこぼれ落ちる。
その一瞬の気の緩みで、後から後からとめどめもなく溢れだした。
床に散らばる教科書のインクをにじませ、更に滴り落ちる。
なんで私が泣かなきゃいけないの。
こんなくそ野郎のために。
葵なんか…
嫌いだ。
大嫌いだっ
「…好きだよ、葵」

