これはまずい。
強ばった顔でちらりと女の子たちを見ると、固まっている。
あーあ、またやってしまった…。
なんて思いながら慎重に腕をひくと、穴からタイルの破片がいくつも床に落ちた。
その音で、はっとした様子の女の子たちは引きつった顔で慌てて口を開く。
「あ、あはは。ごめんなさい、私たち勘違いをしてたみたいだわ。」
「き、気にしないでね、牧瀬さん」
「じゃあねーっ」
無理やり愛想笑いを浮かべて、早急に立ち去った。
助かったのか、更に事態を悪化させたのか。
どちらにせよ、今の状況はあまりよくない。
先生にばれれば、かなり怒られる…
私は、知らんぷりをしてそのまま家へと帰ることにした。

