さっ最低っっっっ!!


私は、再び森崎葵に殴りかかっていた。


「…おっと。危ない危ない。」


なんてわざとらしく言いながらも、私の正拳突きをあっさりかわす。


「えっ!?…いっ、一回まぐれでかわせたからってッ」

すっかり頭に血が昇った私は、相手が素人だということも忘れ、得意技の上段蹴りを繰り出す。


だが、それすら簡単に受け止められてしまった。



「なっなんでっ」



「動きは早いが、パワーがまだまだだな」


「ばかにして…っ」



「気の強ぇオンナ…。そんなんじゃ嫁にも行けねぇぜ?」



「うるさいっ!!アンタなんか大っ嫌い!!」



「へぇ、そうかよ」


「…あれは…っあれはっ!!アンタにとっては対したことじゃなかったんだろうけど!!私にとっては重大なことだったんだから!!」


そうだよ…。


あのキスが…






私のファーストキスだったんだから…っ