「ただいま…」
まさか葵が、あんなことするとは…。
恥ずかしくて死ぬかと思ったよ…。
「あ。おかえり、璃依。」
リビングから、ひょっこり顔を出したのは凜だった。
泊まっていくのかな。
「あ、うん。ただいま」
「…、璃依。葵くんと何かあった??」
どきっ…
私の心臓が、跳ね上がった。
「はっはーん…。」
ニヤニヤ笑いを浮かべた凜が、からかうように私を見る。
「大まか、葵くんとデートの約束したかチューしたかってとこ??」
どっちもです…。
とは言えない私は黙りこくることにした。
「デートはいつなの??」
ウキウキした様子で、聞いてくる凜。
凜は恋バナが大好きだ。
まるで自分のことのように喜んでくれてる凜に、私まで嬉しくなる。

