「なぁ、璃依」
放課後。
部活の終わった私たちは、いつものように一緒にかえっていた。
そんなとき、葵は真っ直ぐ前を向いたまま口を開いた。
もちろん私は、何、とだけやや不機嫌気味に返事をする。
それでも葵は、ちっとも気にした風ではなくて
さっきと同じ態度で言葉を続けた。
「今度の日曜、どっか行こうぜ。」
「ああ、うん。…えっ!?」
あまりにもさらっと言うから、うっかり頷いてしまっう。
慌てて聞き返すと可笑しそうに笑う葵。
「お前、話よく聞いてなかっただろ?」
「う…」
「一度頷いたんだから、いまさらムリとか言うなよ」
「…く。」
「何?何て?」
「だから!!
…行く。」
恥ずかしくて、俯いてぽそりと言った。
たぶん、真っ赤に違いない。
葵が悪いんだから!!
突然、あんなこと言うから…。
しかも、さらっと。
照れてるの、私だけじゃん…。

