「本当にいいって!舞、疲れてるでしょ?」
いくら舞が“大丈夫”と言ったって、2週間も休み無しで仕事してきたんだ。明日が休みだろうと、今は疲れが溜まっているはず…それなら尚更、舞を疲れさせるわけにはいかない。
「だから私は大丈夫だって!…もしかして、私が来ちゃいけない理由でもあるの?もしそうなら無理は言わないけど……でも、もし理由が無いなら連れてって!どうしても行きたいの!」
「…理由は無いけど…」
「なら別にいいでしょ?」
舞の頑固…やっぱり治ってない。
このまま戦ってもあたしが引かないと…勝負は引き分けのままだ。
もう――――甘えちゃおうかな?
「わかったよ…途中で“あー疲れたぁー”とか言わないでよね?あたし、ちゃんと止めたんだから!」
「大丈夫!私から頼んだんだから。……それに、私も久しぶりに高校に行きたいなぁって思っていたところだったし…ちょうどよかったのよ」
…だからあんなに必死だったんだ…
舞が必死になる理由がわかって、あたしの頭の中の考えとイコールでつながった。
舞は緩めていたネクタイを再びキツく締め、エレベーターに乗って外に出た。
