馬鹿みたいだと思った。私はただただ一途に、幸せになりたかっただけなのだ。それなのにどうして私から日常を奪って行く?それはだれかの幸せを呼ぶことになるのか?そんなわけないじゃないか。だから私は私一人で幸せになろうと思った。アルバイトをして、欲しいものをこまこまと買って私の世界を創る。


 趣味を作ってそれに没頭する。勉学に励んで良い大学へ行こうとする。部活に打ち込んで汗を流す。



 なにもかも奪われた!

 何て可哀想な私。しかしこの川の源流を辿って行けば其処に居るのもまた私なのだった。


 禁忌は

   流せぬものが故に。