「ナツ、何で早弁してんの?」


ヤベッ!マキに見つかった。


「お腹空いちゃってさぁ。」


「ウソこくな。」


アハハ~ンと白々しく笑うアタシに、キツイ一撃をかます心は乙メンなマキ。


「チッ!バレちゃしょうがねぇ。これから誠二の大切な女ってやつを暴きに行くのさ!」


フフンと鼻で笑って見せるも、無言でアタシを見つめるマキ。


「アンタ……。まぁいいや、行ってらっしゃい。」


何か言いかけて止めたマキに、若干の気持ち悪さを感じながらも、誠二の秘密を暴くんじゃい!といそいそと偵察に向かった。



そのナツの後ろ姿を見送りながら


「アレで気付かないなんて、ナツも相当バカだねぇ。」


なんて、マキに言われてるとも知らずに。